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手軽で人気!レトルト食品とは?

昨今キャンプが流行っています。屋外で密を避けられ、自然を感じながら過ごせると人気です。
そして、キャンプに欠かせないのが、キャンプ飯!
普段家ではできない料理を楽しめるのも魅力の一つです。
ただ、道具を揃えたり、食材を用意したりするのも大変ということもあり、手軽なレトルト食品をキャンプに持っていくことが増えているようです。
コロナ禍で中食が増え、需要が増えているレトルト食品についてどのように作るのか、また、レトルト食品を製造する際のメリット、デメリットを合わせてお伝えします!

レトルト食品とは

レトルト(retort)とは、もともと加圧加熱殺菌をする釜という意味で、オランダ語が語源です。レトルト食品が一般に流通するようになったのは、1969年日本で発売されたボンカレーが初めてです。日本の消費量はおよそ35万トンで、国民1人当たり180g入りの袋に換算すると15袋分に相当します。日本では多く流通しているレトルト食品ですが、欧州、米国では冷凍食品や缶詰が主流となっており、レトルト食品はアジアを中心に普及しています。

レトルト食品は食品衛生法などの定義によると、

  • 食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、及び、魚肉練り製品を除く)を気密性のある容器包装に入れ、密封したのち、加圧加熱殺菌したもの→「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」
  • 「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」のうち、遮光性のある容器包装のもの→「レトルト食品」 つまり、レトルト食品とは、気密性・遮光性のある容器に密封し、加圧加熱殺菌されている食品を指します。ただし一部例外として、内容物が油脂の酸化による品質の低下のおそれのないものに対しては透明な容器・包装を用いる場合もあります

レトルト食品の種類

レトルト食品がどのような容器包装に入っているかで大きく2種類に分かれます。

パウチ詰食品:製品の包装形態は四方がシールされた袋(パウチ)状。
パウチは平たい形状のため殺菌時間を短くすることができ、食品の風味の変化を少なくすることができます。
代表例として、カレーやミートソースなど。

成形容器詰食品:トレー状の容器にふたをシールした包装形態。
容器のまま食べることができるので、食器を用意するなどの手間が省けます。
代表例として、白飯やベビーフードなど。


記事後半では、レトルトカレーとパックご飯について紹介いたします!

製造方法

常温での流通が可能なレトルト食品は殺菌が重要なポイントとなってきます。
微生物の殺菌は、温度を上げると殺菌時間は飛躍的に短くなります。しかし、重大な食中毒を引き起こすボツリヌス菌などは熱にとても強く、100℃程度では長い時間加熱しても殺菌できません。
そのような危険な菌を死滅させるのには「中心温度120℃で4分間又はこれと同等以上」の加熱処理が必要となります。(一部pHの低い製品は除く)

レトルト食品の製造工程を大まかに示します。

  1. 鮮度、品質が良好な食材を用意し、十分に洗浄する。
  2. 下ごしらえ、調理。ただし、保存料や殺菌のための添加物の使用はNG。
  3. レトルトパウチ等へ充填
  4. 脱気・熱溶融などで密封
  5. レトルト釜などで加圧加熱殺菌。加圧加熱殺菌の際は自記温度計を付けた機器で行い、その記録を3年間保存する。
  6. 飲用水を換水しながら冷却
  7. 完成

そして、レトルト食品製造する際は器材が必要になってきます。

レトルト釜 小ロット対応の小型タイプもあります。
真空包装機 様々な機種があります。包装物の大きさ、処理量、食材の形態から機種を選定していきます。

さらに、レトルト食品を製造する際は規模を問わず、HACCPに基づく衛生管理での対応が必要となります。
HACCPについてはこちらをご覧ください。
HACCPに沿った衛生管理とは?|改正食品衛生法

レトルト食品の容器

レトルト食品の容器といえば何を思い浮かべますか?
たいていの人はレトルトカレーの銀色のパウチ(袋)か、パックご飯のトレーを思い浮かべるのではないでしょうか?
ここでは一般的なレトルトカレー用パウチとパックご飯用トレーについてご紹介いたします。

カレー用パウチについて

レトルトカレー用のパウチは、複数の素材が層になっているラミネート袋といわれるものが使用されています。用途や内容物により、素材の構成が異なっています。
レトルトカレーの銀色のパウチはフィルムの構成にアルミを含んでいます。
アルミを含んでいるパウチには「パウチのまま電子レンジ使用不可」などと記載されています。それは、アルミはマイクロ波を吸収してスパークする(火花が発する)場合があるためです。
また、アルミがマイクロ波を透過させずに吸収し、中身が温まらないため、別容器に移し替える必要があります。そのためレンジ調理対応のパウチはアルミを含んでいません。
アルミパウチにはアルミ箔とアルミ蒸着(じょうちゃく)があります。
アルミ蒸着とはアルミニウムを加熱蒸発させて、紙やフィルムの表面に薄い膜を付着させたものです。アルミ箔はアルミホイルのようにアルミニウムを薄く伸ばしたものです。アルミ箔に比べアルミ蒸着は安価で、折り曲げもできるので、スナック菓子の包装によく用いられています。
アルミ箔とアルミ蒸着の見分け方は、光にかざしたときに透けて見えるのがアルミ蒸着です。
2003年に電子レンジで温め可能なレトルトカレーが登場しました。これは、パウチにアルミ素材を使用せず、袋の形状も加熱により内部の圧力が高まると蒸気口が開く仕組みになっています。電子レンジ対応のレトルトカレーが登場し、より手軽になりました。

パックご飯用トレーについて

一方、パックご飯は包装米飯といいます。この包装米飯には2種類あります。

無菌包装米 炊飯前のお米を殺菌(短時間高温加熱殺菌、超圧力殺菌等)し、炊飯したのち、無菌化状態のクリーンルームで密封包装したもの。
レトルト米飯 調理したごはんを、密封した容器に入れて圧力をかけ、加圧加熱殺菌(121℃、4分以上)したもの。

この2種類は製法によって分かれています。①の無菌包装米は炊飯後に加圧加熱処理を行わいないため、お米の風味や食感が通常の炊飯により近い状態で保つことができます。そのため、スーパーで目にするパックご飯(包装米飯)は無菌化包装の製法が多くなっています。
一方、②のレトルト米飯は、パックご飯の製法として初めに登場しました。しかし、包装後加圧加熱の工程があるため、白飯などに適さず、水分が多いお粥やベビーフードに用いられています。
どちらの製法にしても使用されている容器は一般に、PP(ポリプロピレン)と EVOH(エバール=バリア性樹脂)を貼り合わせたプラスチックシートのトレー、プラスチックフィルムの蓋、脱酸素剤等で構成されています。ポリプロピレン単一によるトレ-も開発されています。

レトルト容器に求められる点

このようにレトルト食品の製造において、容器の選定はとても重要です。
レトルト食品の容器に求める点として以下が挙げられます。

  • 加圧加熱に耐えられる
  • 物理的強度がある
  • 遮光性がある
  • ガスバリア性(酸素などの空気を通しにくい)に優れている
  • 衛生性に優れている
  • 熱融着で密封包装可能

製造販売するには許可が必要

2021年6月 食品衛生法が改正されました。そのなかで、常温で相当期間保存することを目的として、缶、びん又はパウチ等、気体透過性の低い容器に内容物を充填し、密封や密栓をした低酸性食品を製造する事業者は「密封包装食品製造業許可」が必要となります。以下の食品以外を製造する場合は届け出をする必要があります。

  • 玄米、精米
  • 麦類、焙煎麦
  • そばの実
  • コーヒー生豆、焙煎コーヒー豆
  • はちみつ
  • 乾ししいたけ
  • 落花生(生鮮のものとゆでたものを除く。)
  • 節類、削節類 ※
  • 焼きのり
  • 乾燥パン粉
  • ゼラチン
  • 焼ふ
  • 顆粒状または粉末状の食品
  • 顆粒状または粉末状の食品を圧縮成形した食品
  • 顆粒状または粉末状の食品をカプセルに入れた食品
  • 上記に列挙する食品を混合した食品

まとめ

身近で便利なレトルト食品。レトルト食品について調べてみると、容器が進化したおかげで、利便性が高まり、私たちの食生活が豊かになっていました。
消費者側にとっては常温で保存でき、賞味期限も長いので、「気になるお店の味」のレトルト食品があれば、魅力的でつい買って食べてみたくなりますよね。
しかし、小規模の事業者にとっては、設備面でハードルの高く、なかなか手を出しづらい分野かと思います。
普段何気なく食べている食品の包装容器も知られざる進化を遂げているのかもしれませんね。

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