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始まりを知りたい 紙コップの歴史とは|もっと紙コップを使おう! 

始まりを知りたい 紙コップの歴史とは|もっと紙コップを使おう! 

紙コップとは

現在はテイクアウトの食品用容器として身近な紙容器ですが、耐水・耐熱性に欠けることや衝撃に弱いことから、食品用容器としては1940年頃に飲料用紙パックが発明されたのが最初でした。
しかしその前から使われていたのが、紙コップです。
紙コップとは、飲料などを入れるための紙製の使い捨てコップです。紙製といっても紙には防水性がないので、表面をポリエチレンでラミネートすることで飲料用として使用できるようになりました。

紙コップの歴史

紙コップが最初に使われたのは1908年のアメリカで、飲料水の販売機用でした。
同じ頃、長距離列車などで使用されている「ブリキ製の共同コップ」が、結核菌蔓延に関係しているということが発見され、共同コップの使用が禁止されると、それに代わる衛生的な容器として使い捨て紙コップがアメリカ全土に広がりました。

日本では、実は飲料用ではなくアイスクリーム用の紙コップが作られたのが最初と言われています。
飲料用紙コップの生産が開始されたのは、戦後アメリ力進駐軍に紙コップを納品したのが始まりです。
その後、国内でも野球場、遊園地などで、ビール・ジュース・コーヒー用の使い捨て紙コップが使われるようになりました。
さらに東京オリンピックや大阪の万国博覧会の会場で使用されて急成長しました。

1971年にマクドナルド1号店がオープンすると、ファストフード店での紙コップの使用が拡大し、さらにオフィスやアウトドアでも広く用いられるようになりました。

現在ではコンビニエンスストアのコーヒーやオフィスのウォーターサーバーなど、紙コップを見ない日はないと言っても過言ではありません。
では、現在紙コップにはどのような種類があるかみてみましょう。

代表的な紙コップ

基本的に紙コップは、中身は紙ですが、外側はポリエチレン加工がされています。
そして紙コップは中に入れるものによってさまざまな種類が開発され、私たちが持ちやすく、中身がおいしく保たれるように工夫されています。
紙コップの代表的なものをご紹介します。

〇紙コップ
一般的な紙コップです。熱が伝わりやすいので、熱湯を入れるとやけどすることもあります。
熱いものを入れて使用する時は、スリーブを付けるのが一般的です。

〇厚紙コップ
通常の紙コップに比べて約1.5倍の紙厚製の紙コップです。
紙が厚い分丈夫で断熱性もあり変形しにくく、特にホットドリンクにもコールドにも使用できます。
お手頃なコップとして数多く使われています。

〇発泡紙コップ
紙コップの表面に空気層を作る特殊なコーティングしたポリエチレンを、熱で発泡させることによって手に伝わる熱を遮断する加工が施されている紙コップです。
原紙との間に気泡の層ができることで手に熱が伝わりにくくなり、ホットドリンク用として広く使われています。また結露にも強く、アイスドリンクにも使われています。
これは日本で生まれた技術で、現在は世界各国に広まっています。

〇エンボスコップ
成形されたコップの表面に施した凹凸加工が、手に伝わる熱を軽減するので熱いものを入れても安心です。
紙が二重になっていることと、指に触れる面を凹凸にすることによって手との接触面が点となり、コップの中身の厚さが伝わりにくいのが特徴です。冷たい飲料を入れても汗をかかず、凹凸が滑り止めの役割も果たします。
コンビニコーヒーで数多く使われているのが、このタイプです。

コーヒー コンビニ ファストフード
コーヒー店/喫茶店

なぜ紙コップが普及したのか

戦後日本でも広まった飲料用の紙コップは、オフィスやレジャー、ファストフード店などにより広く普及しました。
現在では、セブンカフェなど「コンビニでコーヒーを買う」という人が増加し、それに伴い紙コップの需要も増加しています。
しかし紙コップの普及を早めたのは、商業目的というよりは病気の予防という理由があったのです。
アメリカで有料の飲用水のために開発した紙コップは、結核などの感染症を予防するためにそれまで使われていた金属製の共用コップに取って代わり広く普及していきました。
食器を他人と共有したり、再使用しないためには、使い捨て可能な紙製品が適していました。
使い捨ての紙コップは、回収して洗浄する手間が省けるというだけではなく、他人と接触しない衛生的なコップとして世界中に普及したのです。

紙コップの容量例

一口に紙コップといっても、用途によってその大きさは様々です。
わたしたちが目にする機会の多い紙コップの容量を、以下の表にまとめてみました。

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