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生分解・バイオマスプラスチックは環境問題の救世主になれるのか?

地球には救世主が必要!?

英語の慣用句に“the last straw”(ザ・ラストストロー)というものがあります。
英語の「ストロー」という言葉は「藁(わら)」のことですから、直訳すると日本語では「最後のわら」になります。

ラクダにたくさん荷物を載せた後、まだ大丈夫だと思い藁を1本載せたら、そのたった1本で限界を超えラクダが倒れてしまった・・というお話に由来する言葉です。
つまりギリギリまでずっと耐えてきたものの、些細に思えるキッカケが取り返しのつかない重大な結果を招く引き金になる…という意味があります。

今、地球環境の問題はもう限界ギリギリのところにきており、まさに早急な対応が世界的に求められています。
私たちが日常で使っているプラスチックが、この「ラストストロー」になりかねない状況なのです。

では「プラスチックによる環境問題」は、実際どのような状態なのでしょうか。
今話題になっている生分解・バイオマスプラスチックが地球の環境問題の救世主になれるのでしょうか。
特集してみたいと思います。

プラスチックによる環境問題の現状

CO2増加問題

環境問題 温暖化

原油を原料とするプラスチックは、地球温暖化現象の一因となっています。

なぜならば、まず原料である石油からプラスチックを製造する過程で二酸化炭素(CO2)が排出されます。
また、使用済みのプラスチックの処分にも二酸化炭素(CO2)が発生します。
プラスチックはリサイクルされるというイメージがあるかもしれませんが、大半は焼却処分かサーマルリサイクルによる熱燃料の回収という方法が取られています。
いずれにしても、燃やされているということですね。

燃やす過程で発生する二酸化炭素(CO2)は、温室効果ガスの1つです。
こうしてプラスチックの生産及び焼却により地球温暖化が加速していくということになるのです。
もう待ったなしです。

海洋プラスチック問題

手軽に使えて手軽に捨てられるプラスチックゴミの多くが流れに流れて、最終的に海に行きついています。

すでに、世界の海に存在しているプラスチックゴミは合計1億5,000万トンと言われています。
そこに毎年少なくても年間800万トンものプラスチックが新たに流入していると推定されているのです。

800万トンなんて想像もできませんが重さで換算すると、ジャンボジェット機50,000機に相当するそうです。
例えを出してみましたが、想像できない重さ・・・・

この海洋に流れ出た海洋プラスチックにより、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメなど絶滅危惧種を含む約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしているのです。

マイクロプラスチック問題

マグロ
日本人の大好きなマグロも汚染?

このように海洋に流れ出たプラスチックはやがて紫外線の影響で砕け、小さな粒になります。
こうした5mm以下のプラスチックと、洗顔料や歯磨き粉のスクラブ剤に使われてきたプラスチック粒子を合わせて「マイクロプラスチック」と呼んでいます。

マイクロプラスチックには化学物質が吸着していたり、有害物質が含まれていることが少なくないようです。
この微細なマイクロプラスチックを小さな海洋生物が食べ、食物連鎖により大きな魚の体内に取り込まれ、食を通じて人体に取り込まれている可能性があります。

今のところ、マイクロプラスチックが人体にどのような影響を及ぼすのかはまだ明らかになっていませんが、自分はともかく子どもたちの世代がこれを口にし続けるというのは、楽観視できない状況です。

環境問題は解決される?

こう考えていくと、いっそのことプラスチックを世の中から全部無くしてしまえばいい!と思うかたもいらっしゃると思いますが、そう簡単にはいかないのが現実です。

例えば、日本ではレジ袋有料化を義務付ける方針が発表されましたが、このレジ袋1つだけとっても、お客様に迷惑をかけることになるのではないか、広告媒体としてのレジ袋の有効性がなくなる…など、たくさんの不安の声が出ています。

実際日本は、1人当たりの容器包装等プラスチックの発生量が世界で2番目に多く、世界第3位のプラスチックの生産国として、世界の海洋プラスチックごみ問題の根源に君臨しているのです。
誤解が生じないように付け加えますが、これはただ数だけです。
日本は以前と比べて回収して償却するというサイクルが東南アジアや中国より出来上がっていますので、根源ではありませんが、燃やす過程の中での二酸化炭素(CO2)の削減は急務ですよね。
それにやはりこの日本も、東南アジアや中国より少ないと言っても海洋にプラスチックを排出しているのは間違いない事実です。
ですからこの問題を真剣に考えることは重要です。

プラスチックを一切使わない、という選択肢が実現不可能な現状を踏まえると、次なる選択肢は“削減(リデュース)”となります。
そこで、プラスチックの代替品としてバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックなどへの期待が高まっているのです。 

期待の新星バイオプラスチック

バイオプラスチックの特徴

バイオプラとは、生分解性プラスチック(グリーンプラ)とバイオマスプラスチックの総称です。

■生分解性プラスチック(グリーンプラ)
生分解性プラスチックは、使用後には自然界に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素に分解されるという特性があります。
土の中や海の中で分解され自然に還るプラスチックなのです。
カトラリーやおにぎりの袋、魚釣りの釣り針などに実用化が進められています。

■バイオマスプラスチック
これは、原料に特徴があります。
バイオマスプラスチックの原料は、バイオマス、つまり、動植物から生まれた再利用可能な有機性の資源(化石資源を除く)などです。
主に資源作物、木材、紙、動物の排せつ物、生ゴミなどが用いられています。
原油とは異なり、生物が二酸化炭素と水から生成するものが原料となっているので、持続的に再生可能でカーボンニュートラルな性質を持つプラスチックと考えられています。


自然

バイオマスプラスチックの課題と問題

生分解性プラスチックの普及に当たって、まず問題になるのは製造コストがかかるという課題です。
生分解性プラスチックは材料費の段階で既存のプラスチックの3倍以上、製品になると5倍以上になることもあります。
これでは、テイクアウト用カトラリーやレジ袋など消耗品として採用したくても企業側は二の足を踏んでしまうかもしれませんね。

また、せっかく「グリーンプラマーク」が付いている製品でも、通常のプラゴミとして分別処分されてしまうことが多いので、生分解性プラスチックの強みを十分に発揮できていないのが現状です。

さらには環境整備という課題もあります。
「自然に還る」とは言うものの、環境が整っていないと分解には10年以上要する場合もあるようです。
その分解過程でメタンや水素などのガスが発生するという見解も出ています。
このように、環境設備を整えるというのも課題となっています。

バイオマスプラスチック市場はまだ小さく、やはりコストがかかるというのが課題です。
コストがかかれば普及も難しくなります。

本当に環境への影響がないといえるのか、また紙のように森林の破壊につながる可能性のある資源についてはその持続的な利用が及ぼす影響はどれほどかなど、まだ未知数の部分もあります。

原料がバイオマスであるとは言え、使用後に微生物によって分解されない製品もあるので、海に流れ出てしまえば既存のプラスチックと同様の影響を与えることにもなりそうです。

生分解性プラスチックとバイオマスプラスチック、期待したいところですが課題もありそうです。

生分解・バイオマスプラは環境問題の救世主になれるのか?

幾つかの課題を考えると、バイオプラスチックを「救世主」と呼ぶには気が早いように思えます。
しかし、地球環境問題が限界ギリギリのところにきていることを考えると、バイオプラスチックの早期の普及が望まれるところです。

バイオプラスチックはいままでのプラスチックに比べてコストが高くなっていますが、そのコストは地球環境を改善するために必要不可欠なコストになっています。
ですから、これからは企業だけではなく消費者の側にも負担を受け入れる意識が必要ですね。

環境省が推進するキャンペーンである「#プラスチックスマート」をSNSで見ると、個人として、団体としての活動がたくさんアップされています。エコなカトラリーを提供しているお店が紹介されたりもしていました。

バイオマスマークやグリーンプラマークが付いた製品を使うショップがトレンドになる時代も近そうです。

木村容器では木製、紙製のスプーンやストローもご用意しております。
またバイオマス素材を使った様々な製品もご用意しています。
どうぞ木村容器のパッケージコンシェルジュまでご相談ください。

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