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手袋不足!マスクより深刻な理由をプロが解説

手袋不足!マスクより深刻な理由をプロが解説

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、ニトリル(合成ゴム)手袋が不足する事態が続いています。
2020年中に、同じように不足した衛生物資には、不織布マスクもありました。
2月から4月にかけて不足し、一枚100円程度に価格が高騰したのは記憶に新しいところです。
しかし連休明けには供給が回復し、値崩れし始めました。

今では性能や品質さえ問題視しなければ、不織布マスク不足はほぼ解消したといえます。

しかしニトリル手袋はなぜ今も不足し、改善する見込みさえないのでしょうか?
この記事では、ニトリル手袋の不足の原因と今後の見通しについて解説します。

ニトリル手袋の現状

ニトリル手袋

ニトリル手袋とは、化学的に作られたニトリルゴム(合成ゴム)でできた手袋のことです。
天然ゴムは、ゴムの木から採れるラテックスという液体から製造されますが、このラテックスに対してアレルギーを持つ人もいます。
しかしニトリルはラテックスを使用していないのでラテックスアレルギーの人でも使用する事ができます。

しかも、ニトリル手袋はラテックス手袋と同様伸縮性に優れ、手にぴったりフィットして細かい作業もしやすいので、ラテックス手袋の代替品として近年特に医療分野で需要が高まっています。

介護の現場においても、利用者のケアや排せつ物の処理のために、使い捨てのゴム手袋は必需品となっています。

コロナによる特需

さらに現在は、新型コロナウイルスの感染拡大という特殊な時期です。
医療や介護業界だけでなく、小売店や飲食店また個人レベルでも、感染予防のためにニトリル手袋の需要が拡大しています。
その一方で、拡大する需要に生産が追い付かず、手袋が不足するという事態が続いています。

特に医療機関や介護施設の関係者は、この事態に危機感を募らせています。
このような事態が続いていることには、大きく分けて7つの理由が挙げられます。

手袋不足の7つの理由

理由その1:ほとんどが海外製

ニトリル手袋は、マレーシアが世界の約3分の2を生産しています。
ゴム手袋の製造の際、成型用の型から手袋を取り外す工程には人手が必要なため、人件費の安い国でなければ生産できないという事情があります。

そして、海外は天然ゴム手袋製造のノウハウもあったため、自然とマレーシアなどで多く生産されていました。
そのため、これまでは日本国内でほとんど生産されておらず、日本はもっぱら輸入に頼ってきたのです。

理由その2:ロックダウンによる生産数の減少

新型コロナウイルスの流行に伴い、主要な生産国であるマレーシアでロックダウン(都市封鎖)が実施されたため、従業員が出勤できず生産が増やせなかった時期がありました。
更に、従業員の集団感染により、工場の一時的な閉鎖で納品に遅れが出てしまいました。

2020年12月の時点でも、マレーシアはコロナの第3波に見舞われ、感染者の減る兆しが見られません。
このためマレーシア国内の工場では、クラスター発生とそれに伴う操業の一時停止や減産が続いており、需要に供給が追い付かない状況が続いています。

工場 閉鎖 コロナ

理由その3:世界的な需要の拡大

コロナウイルスの感染防止のため、医療用使い捨てゴム手袋の需要は、通常の3倍程度にまで拡大しています。
コロナウイルスのPCR検査でも、医療従事者の安全のため、手袋は欠かせません。

個人レベルでも衛生意識の高まりから手袋を使いたいと思う人が増えているようです。
スーパーのレジ係がニトリル手袋をしていたり、外出する際に手袋をして、不特定多数の人が触れるものに直接触れないようにしている人も多く見かけます。

感染症の流行が続いていることを考えると、パンデミックが収束するまではこのような状況が続きそうです。

理由その4:原料の不足

メーカーは、急に増大した需要に対応しようにも、必要な原料であるニトリルゴム(NBR)を十分に確保できずにいます。

昨今のNBRの需要の増大は、コロナ禍によって生じたものですから、いつまで続くか定かではありません。
長期的な収益が不確かな状況では、コストがかかるNBR製造プラントの新規建設も難しく、原料であるニトリルゴムを急に増産することはできない状況といえます。

加えて、コロナの影響で物流が滞り、メーカーが材料を十分に仕入れられない事情もあるようです。

物流 コロナ

理由その5:製造ラインとノウハウの必要

ニトリル手袋の輸入が難しければ、国内で生産するのはどうか、という意見もあるかもしれません。

しかし、日本国内で一朝一夕に生産を増やすことが難しい理由がいくつかあります。
日本で医療用手袋を生産するためには、厚生労働省からの許可を得る必要があります。
国内の設備を医療用手袋製造に転用することも検討されたようですが、他の手袋と医療用手袋とでは、製造ノウハウが異なるため難しいそうです。

さらに、手袋の製造ラインは長いので、ある程度の工場の広さも必要になります。
国土の狭い日本においては、まとまった敷地面積で物流に支障がない工場用地を確保するのは簡単ではありません。

ですから不織布マスクのように、速やかに国内生産へと移行できないという事情もあります。

理由その6:有事の決断力不足

これまで、日本はニトリル手袋を海外から安く購入していました。
しかし、世界的にニトリル手袋の需要が拡大しており、欧米が買い付けを強化しているため、手袋の価格が高騰しています。

価格高騰で日本がためらっているうちに、海外諸国が即決して購入していくため、日本国内の手袋不足はしばらく続きそうです。
まず調整、許可を取ってから、など、日本独特の習慣によるのかそうでないのか分かりませんが、このような有事における決断力の不足も国内の流通に影響を及ぼしているのです。

理由その7:海外特有の事情

ニトリル手袋不足には、原料不足や製造ノウハウの問題だけではなく、製品の取引に関連した海外特有の事情もあります。
日本が従来のルートで海外の工場や商社に依頼をしても、海外の企業が裏で高額な買取を約束すると、利益を優先して売却してしまうという事例もあります。

取引 合意

不足するニトリル手袋-今後の見通し

ニトリル手袋が不足する状況は、世界的なコロナウイルスの感染拡大によって生じました。
ワクチンが普及して、このパンデミックが収束するまでに、少なくとも半年から1年はかかるとみられています。
コロナウイルス感染の不安がなくなるまで、手袋不足は、医療機関を中心に続きそうです。

2023年春に香川県において、国内初の医療用ゴム手袋の製造工場が稼働する予定ですが、それまでにはまだ時間がかかります。

まとめ

コロナ禍において、様々な業界で必需品のニトリル手袋は、需要と供給のバランスが崩れた状態がしばらく続きそうです。
このような状況ですが、飲食店や食品加工工場などでも安心してご使用いただけるニトリル手袋は、木村容器でも取り扱っております。
そして、木村容器は、商品の入手ルートを幅広く持っております。
従来のルートからでは手袋の入手が難しいと感じていらっしゃるお客様は、ご興味がございましたら、木村容器のパッケージコンシェルジュに是非ご相談ください。

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