飲食業界やイベント運営において、衛生面と利便性を両立できる「使い捨てカトラリー」は欠かせない業務用品です。スプーン・フォーク・ナイフなどは、テイクアウトやデリバリー需要の拡大により、これまで以上に利用シーンが多くなっています。
一方で近年は、世界的な環境意識の高まりや法規制の強化を背景に、使い捨てカトラリーは大きな転換期を迎えています。従来主流だったプラスチック製から、環境負荷の少ない木製・紙製、さらには最新のバイオマス素材へとシフトが加速しています。
本記事では、使い捨てカトラリーの概要や歴史、近年の変化、業務用として選ぶ際に知っておきたいポイント、そして環境配慮型の関連商品をご紹介します。これから業務用カトラリーの購入を検討されている事業者の方の商品選択の手助けになれば幸いです。
そもそも使い捨てカトラリーとは?
使い捨てカトラリーとは、一度きりの使用を前提として設計されたスプーン、フォーク、ナイフなどの食器類全般を指します。
定義と主な用途
一般的には、軽量で大量生産に適したプラスチック(PS:ポリスチレン、PP:ポリプロピレンなど)製のものが主流で、その最大の特徴は、衛生面での優位性と利便性です。洗浄の手間が一切かからないため、人件費削減や業務効率化に一役買っています。
主な用途としては、以下のような業務シーンで広く活用されています。
| テイクアウト・デリバリーサービス | 食品とセットで提供される基本の用品。 |
|---|---|
| イベント・フェスティバル | 大量の食品提供における衛生管理と効率化に。 |
| 病院・介護施設 | 個包装された製品は、衛生度が求められる現場に最適。 |
| 社内食堂や業務用キッチン | 繁忙期や、洗い場スペースの制約がある場合に。 |
使い捨てカトラリーの歴史と近年の大きな変化
歴史:普及の背景
使い捨てカトラリーの歴史は、20世紀初頭のアメリカで、公衆衛生の観点から紙コップが開発されたことに始まります。カトラリーにおいては、1960年代以降のプラスチック技術の発展と、ファストフード文化の世界的普及が大きな転機となりました。
特に日本においては、1970年代以降のコンビニエンスストアの増加と、1980年代以降のテイクアウト文化の定着により、プラスチック製の「スプーン」や「フォーク」が使い捨て容器と並んで日常的に使われるようになりました。軽くて安価なプラスチック製は、当時の外食・中食産業を支える定番の業務用アイテムとなりました。
近年の変化:環境配慮へのシフト
2000年代に入り、海洋プラスチック問題をはじめとする環境問題への意識が世界的に高まりました。この流れを受け、使い捨てカトラリー市場は大きな変化を遂げています。
脱プラスチック素材への転換
従来の石油由来プラスチックから、「木製」「紙製」「竹製」といった天然素材や、微生物によって分解される「生分解性プラスチック」、植物由来の「バイオマス素材」を用いた製品への切り替えが急速に進んでいます。
デザインと機能性の進化
従来のプラスチック製品と同等の「使い心地」や「持ちやすさ」を実現するためのデザインが追求されています。例えば、原料削減を目的とした「持ち手に穴があいているスプーン・フォーク」がコンビニ各社などでも採用されています。
一本化・効率化
多様な食品に対応できるよう、複合的な用途に対応する先割れスプーンを活用したり、大手コンビニではフォークの代わりに箸を提供するなど提供するカトラリーを絞ってコスト削減や効率化を図る流れになっています。
素材別おすすめ商品紹介と弊社の取り組み
環境対応は、もはや企業の社会的責任(CSR)ではなく、ビジネスの持続可能性(サステナビリティ)に直結する重要な要素です。弊社では、従来のプラスチック製使い捨てカトラリーに加え、環境素材カトラリーの提供にも力を入れています。環境対応の素材を取り扱うことで、事業者様の店舗づくりと法対応の両立を支援します。
環境素材カトラリーの素材別比較
業務用として導入を検討する上で重要な、素材ごとの特徴と導入メリット、そして最適な利用シーンを比較します。
| 素材 | 主な特徴 | 耐久性/耐熱性 | 導入のメリット/おすすめ利用シーン |
|---|---|---|---|
| 木製・竹製 | 自然素材特有の温かみ、高い生分解性。高級感があり、ブランドイメージ向上に寄与。 | やや劣る(熱い食品には不向き) | サラダ、ケーキ、ソフトクリームなどの冷たい食品。ナチュラル志向のカフェやオーガニックレストラン。 |
| バイオマス素材 | 植物由来の資源(米、サトウキビなど)を一部使用。従来のプラスチックに近い強度を実現。 | 高い(耐熱温度は素材によって異なる) | カレー、スープ、パスタなど温かい食品。利便性と環境対応を両立したい業務用全般。 |
| 紙製 | 最も軽量で安価。加工しやすく、生分解性がある。 | 低い(水分・油分に弱い) | 大量消費イベント、試食用。低コストを重視するが環境配慮も示したい場面。 |
弊社の環境配慮への取り組み
サトウキビの搾りかす(バガス)や、国産米を原料とする「ライスレジン」、木材・プラスチック複合材である「マプカ」など、非可食バイオマスや未利用資源を原料としたカトラリーをラインナップしています。これにより、石油資源の節約とCO2排出量削減に貢献します。
事業者が知っておくべき法規制と導入のヒント
プラスチック資源循環促進法への対応
2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法(プラ新法)」は、使い捨てプラスチック製品の削減を事業者に促すものです。特定プラスチック使用製品提供事業者に該当する場合、合理化目標を設定し、削減に向けた取り組みを行うことが義務付けられています。
この法規制に対応するためには、単に「使い捨てカトラリー」の使用をやめるのではなく、以下のような具体的な取り組みを実践する必要があります。
- 環境負荷の低い代替素材への切り替え:木製、紙製、バイオマス素材のカトラリーへの変更が最も効果的です。
- 提供方法の見直し:消費者に対し、カトラリーの要否を確認する仕組みを導入する。
- カトラリー自体の薄肉化・軽量化:使用するプラスチック量を削減した製品を採用する。
失敗しない!業務用使い捨てカトラリーの選び方
業務用として最適なカトラリーを選ぶためには、価格だけでなく、提供する「食品」と「場所」の相性や業務効率を考慮する必要があります。
| 検討ポイント | 課題とリスク | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| 食品への適合性(耐久性・耐熱性) | スープなどの熱い食品や、お肉などの固い食品に木製や紙製を使用すると、強度不足や変形のリスクがあります。 | バイオマス素材配合の製品がおすすめ。従来のプラスチック製品と同等の耐熱性を確保しており、カレーや熱いスープにも安心して使えます。 |
| 提供場面と衛生管理 | デリバリーや病院など、衛生管理を徹底したい場面でバラの製品を使うと、汚染のリスクがあります。 | 個別包装された製品がおすすめ。併せておしぼりも提供すれば、より衛生的に。 |
| コスト効率と在庫管理 | 利用頻度が高い場合はまとめ買いでコストダウンできますが、保管場所と初期投資がかさみます。また、サイズや種類が多いと管理が煩雑になります。 | 使用サイズ・種類を絞り込み、在庫管理を簡略化するのがおすすめ。 |
使い捨てカトラリーをお探しなら
使い捨てカトラリーは、今日の飲食サービスにおいて単なる「消耗品」ではなく、企業の環境配慮姿勢を顧客に伝える重要なツールとなっています。環境負荷の低い素材を選ぶことは、法規制への対応だけでなく、ブランド価値の向上にもつながります。
弊社では、幅広い食品や容器に合わせたサイズや形状のスプーン・フォーク・ナイフを、プラスチック製から環境素材カトラリーまで豊富に取り揃えています。メーカー各社の製品を取り扱っているため、用途や業種に合わせた最適な商品をご提案可能です。サンプルのご用意や小ロットからのご相談にも対応しております。
業務用使い捨てカトラリーをお探しの方は、まずはこちらから商品一覧をご確認ください。
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